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【感想】ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-

mixiより転載 (記載日:2014年12月08日)

物語の基本とは起承転結であり、王道あるいは正統派の物語はこれを徹底する。

演出の基本はクライマックスに向けて徐々に盛り上がる手法をとり、
物語だけではなく、演説・料理のコース・楽曲色々なジャンルに対して共通する。

また、テンポのアップダウンも演出の基本である。
ホラー映画を例に挙げると分かりやすい、恐怖シーンが連続するのではなく、
観客が一息つくシーンを挟む事により、恐怖シーンをより引き立てている。

自分が最高の映画の一つに数える「メメント」は、シーンを10分ごと分割して、
最後のシーンから始まり、最初のシーンでエンディングを迎える構成となっているが、
そのストーリーは観客の頭の中で起承転結を構成する素晴らしい構成となっている。

自分が尊敬する貴志雄介の小説は、序盤で読者へ知識を叩きこむことにより、
終盤へ向けて読者を物語へ引き込んでいく。

全ては結へ向けて、物語が収束するのだ。
物語は収束点で面白さの最高潮に達するのである。
これが王道、正統派の物語である。

ゼブラーマン2という作品だが、
主人公は記憶を失ったヒーローであり、物語の中で記憶を、あるいは自分自身取り戻しつつ、
最後は人類の敵を倒す物語である。
こう書くと如何にも王道的ストーリーである。

このゼブラーマン2には、主人公と相反する存在、ライバルともいえる存在、ゼブラクイーンという役柄が登場する。
女優の仲里依紗という方が演じているのだが、劇中で圧倒的な存在感を放っているのだ。

表情・衣装・振る舞いのいづれもカッコよくセクシーである。
また、スタイルが素晴らしく、ついついいろんな所を目で追っかけてしま・・

映画の方に話を戻すと、
映画冒頭にゼブラクイーンが、レディーガガ辺りをイメージするようなカッコイイPVを流し、強烈に物語に引き込まれる。

次に、主人公が徐々に記憶を取り戻すのだが、そんなことよりゼブラクイーンが合間合間に暴れるシーンが気になってしょうがない。

気づけば物語は終盤まじかになり、ゼブラーマンと新たなコスチュームに変身を遂げるゼブラクイーンの対決シーンに入る。
その戦いもゼブラクイーンの肢体に目が釘付けにな・・ゲフンゲフンッッ・・
えーっ、空を飛べるゼブラーマンなんですが、少女を助けるためビルから飛び降り、垂直に落ちて気絶して対決シーンが終わってました。

そして終盤は、巨大エイリアンと真の存在取り戻したゼブラーマン?との最終対決です。
(?としたのは、8割黒で2割赤だから)

この時点で徐々に増えだした監督クドカン流のギャグが増加しているのですが、最終対決は全部冗談で構成されています。
見事にヒーローが人類の敵である巨大エイリアンを倒すのですが、見終えた後は空虚な気持ちになりました。

それはなぜか?
この映画は序盤が盛り上がりのピークであり、終盤に向けて面白くなくなる稀有な作品だからです。
つまらなかったです!
(これは、あくまで自分の感想であり、人によってはシリアスから始まった物語ゆえに、合いまに出てくるギャグ要素に大笑いするかもしれません。)

それにしても、ゼブラクイーンとの戦いのシーンで、倒れたゼブラクイーンの全身を舐めるようなカメラアングルあざとい。もとい素晴らしい。